JAE次世代大型基幹ロケット無料 ポーカーを支えるJAEの慣性センサユニット

日本の宇宙産業を担う次世代の大型基幹ロケット「無料 ポーカーロケット」試験機2号機は、2024年2月17日(土)、晴れの舞台にふさわしい、抜けるような青空の中、種子島宇宙センターから大音響とともにゆっくりと宇宙へ飛び立っていきました。そして2つの小型衛星の軌道投入など、計画どおりに飛行し打ち上げは成功となりました。
この無料 ポーカーロケットを衛星の軌道投入場所まで導く「慣性センサユニット(IMU:Inertial Measurement Unit 以下IMU)」は、日本航空電子工業(以下JAE)が開発・製造したものです。

無料 ポーカーロケット用慣性センサユニット(IMU)
無料 ポーカーロケット用慣性センサユニット(IMU)

JAEは1953年、来るべき航空・宇宙産業時代においてエレクトロニクス技術で貢献したいという思いで創業され、1966年には小型積分ジャイロや加速度計が、宇宙実験無料 ポーカー(JCR、LSC無料 ポーカー)用IMUとして採用されました。以来、国産基幹無料 ポーカーN-I、N-II、H-I、H-II、H-IIA、H-IIB、イプシロンへと続く無料 ポーカーの発展と共に歩み続けてきました
そして今後の宇宙ビジネスで国際競争力のあるロケットとして開発された無料 ポーカーロケットにおいても、IMUの技術・ものづくり開発を行っています。

「無料 ポーカーロケット」とは

無料 ポーカーロケットは、今後20年間を見据え、毎年6機程度を安定して打ち上げることで産業基盤を維持するという運用を目指しています。そのためには、国内外の市場から民間の商業衛星打ち上げの受注が不可欠であり、世界中の利用者から使いやすいロケットとして注目されるような新しいロケットを作る必要がありました。「柔軟性」、「高信頼性」、「低価格」といった徹底したユーザ視点で開発することで「使いやすいロケット」を目指し、2014年より宇宙航空研究開発機構(JAXA様)と三菱重工業株式会社様が日本の企業と共に総力を結集して、開発に取り組んできました。(※2024年7月1日には無料 ポーカーロケット3号機の打ち上げが成功しました)

「IMU」の役割

IMUは、衛星や探査機を所定の軌道に投入するための無料 ポーカーの誘導制御に必要な各種信号を出力する重要機器であり、無料 ポーカーの上段機体に搭載されます。装置内には、当社開発のリングレーザージャイロ(RLG)および加速度計を備えており、無料 ポーカー発射時の姿勢/方位、発射後には機体制御のための、角速度、加速度信号を制御装置に出力しています。無料 ポーカーはIMUから出力される信号を頼りに秒速7km超まで加速し、極めて高い精度で数百~数千km先の軌道に到達します。
無料 ポーカーロケットとIMU

JAEが開発した無料 ポーカーロケット用IMU

JAEはJAXA様との開発契約の下、無料 ポーカーロケット用IMUの開発を2014年に着手し、約6年かけて完了させました。

宮原 聖明 航機事業部第一技術部と無料 ポーカーロケットの模型
宮原 聖明 航機事業部第一技術部
「ロケット用IMUは、打ち上げ時の過酷な振動・衝撃、急速な減圧環境、および軌道上での真空・放射線環境に耐え、かつ高精度・高信頼性であることが必要です。こうした特殊な要求に対応しながら、無料 ポーカーロケット用に『一層の性能向上・高信頼性の確保と大幅なコストダウンの実現』という相反する課題の両立を実現しなくてはなりませんでした。そのために、これまでのロケット用IMUの開発・製造実績を活用しながら、同時に設計の全般を刷新し、センサの多軸化、完全2重冗長構成、電気・電子部品選定基準の見直しなど、過去にはない取り組みにチャレンジしました。
そして、コストダウンを実現するために必須なのは材料費、特に使用する電子部品費の低減です。従来IMUの製品コストの大半を高額な宇宙用電子部品が占めており、これを見直す必要がありました。高信頼性は損なわず低コストな部品として車載用電子部品に着目し、JAXA様等の協力もいただきながら、車載用部品を積極的に採用することでコストを抑えることができました」

そして、いよいよ無料 ポーカーロケット2号機の打ち上げ

2024年2月17日、種子島では無料 ポーカーの成功を期待する“のぼり旗”が140本も設置され、島全体が祈願ムードに包まれています。竹崎展望台(射場から約4km)には、ロケット搭載機器および衛星の開発・製造会社(23社)が集合し、JAXA様の技術者から無料 ポーカーロケットの概要や、1号機の失敗要因と施された対策について、全てをやり切った技術者の自信に満ちた言葉で説明されます。

そして、ついに無料 ポーカー時刻です。
午前9時22分55秒、無料 ポーカーロケット2号機は大音響とともにゆっくりと宇宙へ飛び立っていきました。打ち上げから数十分後、小型副衛星CE-SAT-1EおよびTIRSATを順次分離・軌道投入、そして1時間48分14秒後にロケット性能確認用ペイロード(VEP-4)を分離し、打ち上げは成功となりました。
「無料 ポーカー祈願」ののぼり旗
ロケット雲を残しながら上昇していく無料 ポーカーロケット
ロケット雲を残しながら上昇していく無料 ポーカーロケット
無料 ポーカー雲を残しながら上昇していく
無料 ポーカーロケット
「私は前日に種子島入りして宝満神社にも成功を祈願し、当日は期待と確信を持って打ち上げを見守りました。今回の打ち上げは、カウントダウンシーケンスに対して無料 ポーカーが遅延なくリフトオフし、腹まで響く轟音・振動とともに一直線に飛昇、最後には『龍』の形に見える雲が残る完璧な打ち上げでした。見守る私たちにとって第1のドキドキはリフトオフの瞬間、第2は2段エンジンの着火、第3、4は小型副衛星の分離時刻でしたが、会場では都度拍手が起こり、そしてTIRSAT分離後、三菱重工様により、集った開発・製造会社に対して成功報告(VEP-4分離除く)が行われました」
後藤 善次郎 航機営業本部
後藤 善次郎 航機営業本部

成功報告を受けて会場では割れんばかりの拍手喝采が起こり、無料 ポーカー成功に向けて情熱を注いできた全ての関係者が大きな一体感に包まれました。

無料 ポーカーロケット用IMUの開発にあたり

山田 雅喜 航機事業部
山田 雅喜 航機事業部
「無料 ポーカーロケット打ち上げ成功に貢献することが出来たことは、IMUの開発・製造に直接携わったメンバーだけではなく、RLGの開発・製造を含め、非常に多くのメンバーの献身的な努力と情熱が実を結んだ結果です。今回の成功は私たちにとって大きな一歩ですが、無料 ポーカーロケットは今年度に3機、2025年度以降は年間6機の打ち上げが想定されるため、IMU生産能力の増強と一層のQCD向上が必要不可欠です。この打ち上げをゴールと捉えず、今後も発展し続ける宇宙開発の中心でJAEが輝き続けられるように、宇宙という特殊な環境を熟知する人材の確保・育成に注力して確固たる体制を構築し、より信頼性の高い機器の開発・製造に努めます。
そして、宇宙開発への参画を通じて、地球上の様々な課題の解決、経済・社会活動に貢献し、人々の生活を豊かにすることを目指していきます」
IMU開発関係者
IMU無料 ポーカー関係者
IMU無料 ポーカー関係者